人生も仕事も、クローゼットと同じだ。必要なものと不要なものを区別できなければ、どうでもいいことで埋め尽くされてしまう。
第1章 エッシェンシャル思考と非エッシェンシャル思考
近年は一人ひとりのタスク(任務)が増えてきている気がしませんか?
ちょっと前までの家庭の役割といえば、家で家事・育児、夫は外で仕事。
今や男女関係なく仕事・育児・家事をして当然のような風潮があり、とてもやることが多い大変な時代になっています。
加えて最近では、上がらない賃金への対策として会社員・主婦の副業の人気が高まっています。Youtubeで「副業」と検索してみてみると、たくさん副業に関する動画が出てきます。
子どもにおいても、小学校で英語が必修科目になっています。
これらから管理人が感じるのは、時代が進むにつれてやることは減らず増えていくということです。
そんなご時世にどうすれば効率よく、最大限の結果を得られるのかについてまとめた本が「エッシェンシャル思考」です。
エッシェンシャル思考とは?
エッセンシャルとは英語でessential。意味は「絶対に必要なさま」「不可欠」という意味です。
エッセンシャル思考とは、自分の力を最大限に発揮するためのシステマティックな方法のことです。選択肢から最重要項目を選び出す重要性を繰り返し伝えています。
トレードオフの原則を心得る
トレードオフとは、何かを得ることは、何かを差し出すことという意味です。
私たちは欲しいもの(物を得る・欲を満たす)など)を得るために、お金・時間・エネルギーのいづれかを差出し、犠牲にしています。仕事も娯楽もトレードオフで成り立っています。
では、自分の希望でトレードオフするまだしも、他者に決められたらどうでしょうか。
例えば、行きたくないと思っている会社の飲み会・忘年会に参加することは、自分の時間とお金を差し出すことになります。
誘われて、その誘いに乗るか悩むときはこの原則を思い出してみましょう。
すべてのことをこなすことは現実的に不可
本書では、やりたいと思うことをぎゅうぎゅう詰めにしたところで、全てを達成することは現実的ではないとしています。なぜなら、予定通りに行くことは実は珍しいことだからです。
例えばビジネスで時間いっぱいに予定を立てても、会議が時間オーバー、仕事は頼まれごと、フォロー等でやることが増えている、事故や渋滞で移動の時間が伸びた。なんてことは珍しくないです。
管理人の所見ですが、特に人と会うイベントは予定より長引くこと、待たされることが多いと思います。自分だけで時間をコントロールできないからです。
自分で優先事項を決めなければ他人に決められてしまう
職場ではこの会議に出て話を聞いておいて欲しい、この資料の作成をお願いしたい。家ではパートナーにこれやっといてと頼まれる。
今自分が最優先することをあらかじめ決めておかないと、こうした誘いに乗っかり、いつの間にか時間とエネルギーを消費してしまします。
本書のエピソードとして、オーストラリアの看護師さんが患者の死に際に、最も後悔していること聞き、最も多い答えが 「他人の期待に合わせて生きるのではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった」とのことです。
なんとも興味深い話ですね。エッシェンシャル思考はこうした目の前に起こる出来事に振り回されないことだ、と本書で定義しています。
優先事項が5つ6つあるのは、何も優先していないのと同じ
ある企業で働くマネージャーは、つねに最優先事項を5つ抱えているのだと嘆いていた。これでは、何も優先していないのと同じだ。
第1章 エッシェンシャル思考と非エッシェンシャル思考
優先事項は1つしかないから最優先事項です。
当たりまえでは、、?と思いますが、今あなたは目の前の仕事(最優先事項)をしていて、来週までに用意する仕事も決まった、となるとどうでしょう。つまり複数のタスクを抱えてしまった時に1つだけ最優先事項を決めるべきということでしょう。
管理人の本業の世界では、マルチタスク上等!という感じです。対策として1日、1週という一定の間隔で最優先事項を設定して対応しています。そうすると仕事の進捗の把握が楽になる、達成感も味わえてオススメです。
選択基準を変える。×何をやるか。〇何をしないか
本書のメーン事項でもあります。やることはたし算でなく引き算で決めるということです。
エッシェンシャル思考を根付かせるためには、自分が物事を選択する基準を変えることが肝要だそうです。何をするか? ではなく 何を捨てるか? です。
具体的には、やりたい(やるべき)と思うことを洗い出し、それらを整理します。そもそもする必要があるのか?さらにやるならば優先順をつけていく。ということをしていきます。
逆説的ですが、多い選択肢の中から決めるとより効果的です。自分の頭の中にあることの中から、本当に重要だと考えていることを選べるためです。
そうしていくと、目の前の出来事や不要な誘いに乗ることなく自分のタスクに集中出来ます。断る理由付けにもなります。
見積もりは1.5倍で考える
前項でお話した、「すべてのことをこなすことは現実的に不可」で書いた通り、計画は計画通りにいかないことを織り込んで考えるべきです。
管理人は、ビジネスにおいて計画を見積もるときに、時間を少なく見積もってしまうことが多くありました。 例)〇〇は3時間で終わる→結果は倍の6時間など
これは準備不足も含め、計画時の想定外を何も考えずに見積もったため起きたことです。
見積もりはつい全てがとんとん拍子で進む前提で考えがちですが、危険です。仕事が見積もり以内に収まったかどうかはとても重要なポイントです。お金も時間も使える範囲は限られています。
ちなみに、なぜ想定外が起きるのかは、こちらの記事や本に詳しく載っています。
計画を立てる時にボトルネックを洗い出す
ボトルネックとは、瓶の首が細くなっている部分を指す「bottleneck」に由来しています。
つまりは業務全体で見たときに流れが悪くなりそうなところの部分のことです。
そこを事前に洗い出して対策を立てておくことがべストです。
例えばチームでの仕事をするときに、一番能力が劣る(仕事が遅い)人の担当箇所をどう乗り切るか?をボトルネックと仮説します。それに対し、早く終わらせた人がフォローに入る、または進捗次第で応援を呼ぶなどの対策を事前に立てられます。
計画を立てる時に、不安なこと、時間やエネルギーを食われそうな箇所を洗い出しておき、準備しておく。これは本当に見落としがちですが、是非実践したいことです。