「人の失敗から学びましょう。自分で経験するには、人生は短すぎます。」
第1章 失敗のマネジメント
管理人は、野球を見るのが好きです。2023年春に野球の世界一を決める大会・WBC(World Baseball Classic)が開催され、日本は世界一に輝きました。
現地ではなくテレビで観戦していましたが、印象に残るCMがありました。大谷選手(すごく有名な野球選手)が出演していて、内容が「失敗」にフォーカスした内容でだったのです。
おぼろげですが、これまで自分は〇〇回三振を取られ、〇〇回ホームランを打たれた、、というような内容でした。当時はそれを見て、トップの選手でもそれだけ失敗しているんだなーとしか思っていませんでした。
ですが、今回読んだ本から、失敗することこそが、成功への一番の近道である、と思わされました。
失敗を超高速で繰り返せ
ある洗剤メーカーが、不良品を量産する設備を改善すべく、一流の設備専門家を集めたチームに作らせたところ失敗しました。 その後、社内の設備チームに任せたところ、最終的に求める設備を作れたそうです。
専門家チームは理論やミーティングで机上の議論から一つ最適な設備を作りました。
一方、社内チームは、構造を少しづつ改良して、試作品を作って試すことを繰り返しました。
つまり「失敗を重ねながら」理想の設備を作ったわけです。
エンジニア目線の話ですが、未知のものを設計するときは、頭の中で検討・構想を重ねるよりも、簡単な試作プログラムを作って実験してみる方が結果が早く分かります。
勉強の仕方が分からない、資料の作り方が分からない、、、そんな時はそれ以上考えても仕方ないです。まずはやってみなはれ!ということです。
やってみて分かることは、必ずありますから。
量をこなす
とある学校での粘土の作品を作る実験の話です。
2つのチームに分け、一方のチームは作品に質を求め、一方のチームは作品の量を重視すると伝えて作品を作らせたました。
結果、質よりも量を重視したチームの方が、粘土を扱う習熟度、最終結果が良かったとのこと。 努力の量は、方向性と同じくらい大切です。 致命傷は避けつつ、まずはやってみなはれ!
立場が上がれば上がるほど失敗を認めなくなる?
致命的な失敗を犯した約50の企業をリストアップして、失敗について調査した結果からこんな事実が発覚しました。
なんとどの会社でも立場が上に行けば行くほど、人は失敗を認めなくなることが明らかになったそうです。
管理人は、組織のトップに立ったことはありません。しかし失敗を認めないその裏には、部下からなめられたくない、その人のプライドが高い、そもそも失敗だと思っていない、色んな背景が想像できます。
上手くいかなったことを「失敗」と認めなければ、また同じやり方を繰り返し、同じ失敗をします。私たちはこうはなってはいけませんね。
困難は1口サイズに分解して処理
「でも本当に大事なのは、目の前の食べ物にいかに取り組むかなんです。」
第4章 難問はまず切り刻め
ホットドッグの早口チャンピオンの、小林尊さんの話から学びます。
小林さんは早食いで勝つために、あらゆる早食いの方法を試したそうです。
食べづらいパンをどうやって食べるか、ペース配分、どうすれば胃に入りやすいか、など問題を洗い出し、そのひとつひとつに対策を立てたそうです。
そして、選手権では圧倒的な成績で優勝しました。
つまり本番を迎える前に、色んな食べ方の失敗を重ねた結果、最善の方法を探し出すことができたということです。
まったく同じことを、Windowsを開発したエンジニアの中嶋聡さんも自身の本「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」で伝えています。
失敗は全部の角度から見よう
どんなミスも、あらゆるか角度から検討して初めて、相反する出来事の表と裏を覗き見ることができる。その過程を経てこそ、問題の真の原因を理解できる。
第5章 「犯人捜し」バイアスとの闘い
たとえ話ですが、運転中に急に割り込まれたことを想定してみてください。
割り込まれたこちら側はなんて危ないドライバーだ!と瞬時に憤慨します。
ですがその後、実は割り込んできた車に対して、大きい動物が脇から飛び出して、咄嗟にハンドルを切ったことが分かったらどうでしょうか?
割り込みは当然マナー違反ですが、知る前と後では割り込みに対しての怒り具合は変わってくるのではないでしょうか。
人は失敗や都合の悪いの結果に対して、自分に都合よく原因を解釈してしてしまう傾向があるようです。
つまり失敗の状況を正確に考察するには、前後やその背景も分析してこそ、正しい原因を理解することができるということです。結果だけを聞いて判断せず、正しい原因を探りましょう。
失敗は、成功するのに欠かせない
「私のフリーキックというと、みんなゴールが決まったところばかりイメージするようです。でも私の頭には、数えきれないほどの失敗したシュートが浮かびます。」
第6章 究極の成果をもたらすマインドセット
この発言の主は、サッカーで誰もが聞いたことはある、有名なベッカム選手のコメントです。
もう引退されましたが、ベッカム選手はフリーキックという、長い距離のキックに定評のあるサッカー選手でした。
彼は、子どもの頃から近所の公園でフリーキックの練習を繰り返していたそうです。はじめは上手くできなかったそうですが、毎日のように練習を重ねていき、次第に通りかかった人が、止まって見ていくぐらい上達していったそうです。
この話からも失敗の重要性がうかがえますね。これからも致命傷は避けつつ、最速で失敗していきましょう。