この本は、「好きなことに思いっきり向き合う」ための時間術の本です
プロローグより
皆さんは「時間術」と聞いて、なにを思い浮かべましたか?
私は、この本を手に取ったときは、なにも思い浮かびませんでした。
やるべきことばかり増えていき、仕事は終わらない。
私は、今回ご紹介する本を読み、以下のことを学びました。
・人が時間内に仕事を終わらせられない原因
・時間や仕事に追われない考え方
・筆者が編み出した、時間の有効活用術
今回ご紹介する本は、仕事を早く終わらせるための時間術についての本になります。具体的な時間術や筆者の時間に対する考え方、エピソードが満載です。
特に、Windowsの開発秘話のエピソードや、比喩もとても面白く、スラスラと読むことができました。
筆者の中嶋聡さんは、元マイクロソフト社のエンジニアの方です。
中嶋聡さんのWikipedia
原因編
時間の見積もりが甘い
”仕事が終わらない人は、後半の応用問題を甘く見ている”
1章 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
一旦、仕事を学校のテストに例えてみます。テストには、基礎が分かればスラスラ解ける基本問題と、基礎が分かっていても簡単に解けない応用問題があります。
仕事にもあてはまると思いませんか。
仕事でも、自分ができる箇所から順調にこなしていくとします。よって、この仕事楽勝じゃん、と業務全体を軽く見てしまい、仕事全体を甘く見積もってしまいます。
結果、設定した締め切りに間に合わなくなると、著者は述べています。まずは、あなたの仕事を基本問題と応用問題に切りわけてみましょう。
睡眠不足での効率はひどいもの
多くの研究で、1晩眠らないとIQは1標準偏差下がることが分かっている
1章 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
引用からわかる通り、睡眠不足は科学的にも、業務効率を落とすと証明されています。よって効果的に仕事をこなすためにも、睡眠はもはや必須です。
疲れているけど、あのテレビをみたい、スマホのゲームをしたい。あなたの寝る時間は、あらゆる誘惑によって、日に日に削られています。疲れているときこそ、体を思いやり、自制して早めに寝ましょう。
私も以前に夜勤の仕事をしていましたが、夜勤明けではろくに頭は働いていませんでした。ちなみにこの本では、ある状況を除いて徹夜は一切推奨していません。
ラストスパート思考は敵
”多くの人が、「最初はのんびりしていても、最後に頑張ればなんとかなる」という根本的な誤ちを改めるところから始めないといけません”
1章 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
人が締め切りや時間に追われているときは、そのプレッシャーから、本来の力を発揮しずらいという意味ですね。
ラストスパート思考では、必然的に時間がない中で、仕事に取り組むことになります。仕事に不可欠な「余裕」は生まれません。仕事には追加・遅れ・想定外がつきものです。ラストスパート思考は、それに対応できないのです。
管理人は、システムエンジニアの仕事をしていますが、締め切り自体が早まることさえあるため、ラストスパート思考は本当に危険だと感じています。
とにかく早め流早めに準備をすべし!
仕事に対する考え方を変えよう
全ての仕事は必ずやり直しになる
2章 時間を制する者は、世界を制す
”どんなに頑張って100%のものを作っても、振り返ればそれは100%でなく、90%や80%のものに見えてしまうのです。”
この話は、ものづくりあるあるだと思います。
制作したものを後から見返すと、後からもっと改善できた、なぜあの出来で提出したのか?と過去の作品に満足しない現象が起こります。
管理人も作ったプログラムを後で見返すと、毎回のように、なぜこんな作りにした?と思う箇所が出てきます。同時に、これが当時の最高の出来か~と、自分の技術力を思い知らされます。
つまりは、仕事はあとからやり直しになることを見越して、とにかく早く大枠を作っちゃいましょう、ということですね。
締め切りの前に締め切りがあると考えなければならない
待ち合わせのたとえ話です。時間きっちりに現地到着予定のはずが、あなたの乗っていたバスが遅れてしまい、結局あなたは15分も約束に遅れてしまいました。
なんて話は、だれにでも経験があると思います。
筆者の中島さんの場合、約束の30分前には待ち合わせ場所近くのカフェに着き、10分前に「余裕」をもってカフェを出発、待ち合わせ場所に向かいそうです。遅れを見越して早めに行動することを実践しています。
本当の約束期日の前に、自分の中で締め切りを再定義してみましょう。そうすることで、多少の修正や想定外があっても、余裕を持って対応できます。
困難は分割せよ
課題の分割は、複雑な問題を効率的に解決するうえで重要
2章 時間を制する者は、世界を制す
あなたが仕事のリーダーだと仮定して、仕事がこのままではおわらないと気づいたときには、原因を分割して考えてみましょう。
技術的にできないのか、材料がないのか、リソース(日程や人数)的にできないのか。問題を分割して考えると、速やかな問題解決に繋がります。
材料がなければ、材料を用意すればいい、日程が合わなければ、別日を検討するなど、具体的な対策が立てられます。
実行編
どこまでも2:8の法則で終わらせる
8割終われば、仕事は終わったようなものなのです。
4章 今すぐ実践 ロケットスタート術」
ここが、本書のキモの部分になります。2割の時間で8割終わらせること。
仕事を開始から超全力でやり、仕事の大枠を完成させます。早く仕事を終わらせるコツの中身です。
筆者の中島さんは、これをロケットスタート術と名付けています。仕事に対する「余裕」という絶対的なアドバンテージを持てます。残りの8割の時間で、残りの2割を丁寧に仕上げていくことができます。
余裕を持って取り組める状況と、締め切りのプレッシャーに追われて何とかこなす仕事。どちらがいい出来になるかは一目瞭然です。
分からないことはやりながら覚える
6章 時間を制する者は、人生を制す
何かやりたいことがあって、それを実行するときに必要なものを参考書や解説書から拾ってきて使う。実際に作ってみる。これの繰り返しです。
いつか使うだろうという理由のみで、勉強を開始しても、長続きさせるのは大変なことです。勉強は必要に迫られてからやるべきです。
管理人は、いつかビジネスで使うだろうとオンライン英会話をしていた時期がありますが、その時は来ることもなく、結局モチベーションの低下により長く続きませんでした。
勉強は、必要に迫られてから小さく始めるのがベストです。
結局何のための時間術?
自分が本当にやりたいことをやるため
本書の時間術が一番効力を発揮するのは
「嫌なことから逃れたいとき」でもあるのです
プロローグ
結局何のために時間術を行使するのか?という核の部分です。この時間術は「やりたいことをやる時間を作る」ために効果的なのです。
やりたいことをやるために、仕事や勉強などのやりたくないことを速攻で終わらせる。
そして作った時間を好きなことに使う。
筆者の中島さんは、自分の時間を確保するために、この時間術を身に着けたとのことです。
管理人が実践した結果
書いてあることを所々実践してみた結果、以前よりも仕事に対して余裕ができたと感じています。筆者と同じシステムエンジニアの仕事ということもあり、実践へのハードルも低かったです。
また、上記では書いていませんでしたが、1日のタスクを洗い出して書いてみて、終わったものにチェックを入れる、というのも非常に効果的です。
管理人は本業に時間術を生かしてブログを執筆する時間を確保したいと目論んでいます。